JC3ガイド〜販売編〜

V. 販売編

ジュエリーコーディネーターの役割:

単にジュエリーを販売するだけのことではなく、信頼のおける相談相手としてお客様に買い物を楽しんでいただくこと、お客様に喜びと満足を提供する仕事である。

V-1.販売の基礎知識

1.ジュエリーの販売

  • ジュエリーコーディネーターの役割を理解する。顧客満足(CS)とは。
  • ジュエリーの商品特性をおさえる。独特さ。ライフサイクルは?専門性は?比較購入されるが、衝動買いも。商品価値の判断基準の多様性。購買後評価の重要性。
  • 使用価値、所有価値、素材価値、情緒的価値・・
  • ジュエリー市場も多様化しており、「買回品」「最寄品」の販売特性も。若年層向けジュエリー。ファッション化。
  • 「買回品」的側面を持つようになったジュエリーですが、ジュエリーコーディネーターとして「専門品」としての販売知識が必要。

2.顧客満足の要素

お客様が満足するための要素とは何か?

  • 品揃え:マーチャンダイジングとは?商品ミックスとは?
  • 店舗施設:立地。クリンネス。照明、空調のアメニティ。レイアウト。
  • 環境づくり5Sとは?
  • 接客サービスの基本:商品知識・販売知識・顧客情報
  • コミュニケーションの技術:マナー、言葉遣い、クレーム処理、コーディネート提案。

3.接客の技術

このへんのお話はとても重要です。「覚える」というよりは「理解する」。また、「常識的に考える」ということが大事だと思います。

特に、「お客様の視点で物事を考える」ことが出来れば、自ずと回答が見えてくる・・ハズです!

  1. 商品知識
    • お客様のタイプ、ニーズにあわせて、臨機応変に!
    • 販売の場で必要な商品知識と情報
      1. 商品についての一般知識
      2. ジュエリーについての一般知識
      3. 個々の商品についてのセリング・ポイント
      4. 商品付帯物・・・保証書、鑑別書、ケース..etcの知識
      5. 商品付帯サービス
      6. 取り扱いおよびアフターケア
      7. 商品価格についての知識・・・価格構成の理解
      8. ジュエリー市場、仕入れについての知識
      9. 商品販売についての情報
  2. 販売知識

具体的な仕事の流れを理解する。アフターサービス、クレーム処理の注意点。対処。

【販売準備と販売の業務】

    1. 準備の留意点:ディスプレーは無言の販売員です!
    2. お客様ご来店:◯◯様、とお名前を呼ぶ。
    3. アプローチ:タイミングが大事。どんなタイミングがあるのかチェック。
    4. お勧めする糸口:「さりげなく、自然に」
    5. 商品の提示:使う状態にしてみせる・商品に触れさせる・比較できるように2、3点(不要な商品は下げる)。
    6. 商品の説明。※セリングポイントについては、別途。
    7. 試着:エレガントにお着けする練習!リングサイズは測らなくても大体わかるくらいに訓練。
    8. 決定を促す:セリングポイントを強調。
    9. クロージング:気移りされないよう、他の商品をただちに片付ける。
    10. 再度ご来店いただくアプローチ
    11. お見送り:出口まで。そしてしばらくそのまま。
    12. お客様を覚えるために:顧客名簿にデザイン、お顔の特徴、サイズなどを記す
    13. 反省
    14. お礼状

【代金の授受、決済】

  • 現金、クレジットカード、分割販売、代引きなど
  • 商品の先渡しのときは注意。
  • 決済に関してはトラブルにつながりやすいですので、注意点をよく把握して下さい。

【包装(ラッピング)】

販売士の試験ではよく問題にされます。包装に使われるアイテム。ケース、たとう(畳紙)、袋、包装紙、リボン、和式進物包装、ショッピングバッグ。

  • 包装に際しての注意点は?
  • 包装の目的は?---持ち運び、商品の◯◯、商品価値を◯◯◯、店の◯◯。

【販売後の業務】

お届け、修理、リフォーム、下取り、客品買い取り(古物営業許可)、グレーディングと鑑別。

【セールスに付帯する業務】

  • 店舗・環境の整備:整理整頓。
  • 顧客管理:強要してはいけませんが、住所、氏名の情報は双方のメリットになります。
  • 商品の管理:商品を出したまま、お客様の前を離れない。
  • 在庫管理:顧客との接点にいる販売員が、マーケットに関する生きた情報をフィードバックすることが重要。

【コミュニケーション】

  • 接客サービス:サービスの本質は何か?
  • 態度的サービスと機能的サービス:サービスの5つのS
  • サービスの5S。店舗の環境の5Sもありました^^ 態度的サービス4つ+機能的サービス1つ。丸暗記
  • 公平性とマナー:サービスの5S⇒CS(顧客満足)。つまり6つめのSatisfactionのSを生み出す。
  • お客様を差別しない。公平に接して、先客優先を守る。
  • 身だしなみ、マナー、言葉遣い。
  • 身だしなみは・・・清潔、上品、ひかえめ。
  • マナーとは、相手を傷つけない礼儀作法。
  • 言葉遣い・・・必要以上な能弁はマイナス。
  • 接客時の注意事項:常識的な判断で可だと思います。

【クレームへの対処】

クレーム処理は微妙かつ難しい問題です。実際問題。

そして、試験でも、微妙かつ難しい問題です(^^

3級レベルの場合、想定されるのは「新人の販売員」です。
「責任を取ろう」とか、「早く解決しなきゃ・・」といった気持ちはわかりますが、それは・・・「答えではない」ですね。

やはり、基本はお客様の立場に立って判断することです。

ついでにいうと、クレーム処理は一つのノウハウだと割り切ることも大事。なぜかっていいますと、「よかれ」と思って行った行為が事態を悪化させることもあるから。

ということを踏まえて。

  • 対応の手順を全てチェック!
  • 全てに共通するのは、「誠意」です。
  • 大きなクレームの場合、「人を替える」「時間を改める、冷却期間を置く」「場所を変える」といった対処が必要。

4.販売と消費者保護の法規制

  • トラブル---価格、支払いに関する
  • 年代、性別---20代が圧倒的。3割が男性。
  • ジュエリーに関する相談は年々増加。2%を占める。

【悪徳商法、法規制】

  • ジュエリー販売の悪徳商法
  • クーリング・オフ制度・・・消費者の立場としても、知っておくべき。一定期間内であれば一方的に解約できる制度。
  • 消費者契約法、特定商取引に関する法律、景品表示法。
  • PL法。ジュエリーPL対策マニュアルの内容。

5.宝石の品質と価格の説明

まずは美しさをいかに説明するか??がポイント。

この辺は、実際に場数をこなしていくしかないのでは?と思います。
テキストの具体例は参考になりますので、よく読んでみて下さい。

V-2 ジュエリーのコーディネート

最後です。ご自分でジュエリーを買ったり選んだりするときにも参考になります。

コーディネートの学習のポイントは、「極端な場合から極める」ことでしょうか?

例えば、リングでしたら「太くて短い指」をキレイに見せるデザインは??と見ていきます。

そういった「便利なデザイン」はどんなタイプにも似合う場合が多く、応用がききます。

1.ジュエリー・コーディネートの基礎知識

コーディネートとは、「一つの新しい調和にまとめあげること」。

お客様の個性や好みに体型、トレンドを加味して、全体の統一感を作る。

「センス」だけじゃない。一定のルールがあるので、苦手な人はそれを覚えて、繰り返し訓練することで身に付きます。

2.バランス・コーディネート

  • 視覚的効果に付いて知る。正確には「錯視」

どっちが長い?

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こんなことを利用する。

  • アイテム別コーディネート・・・お客様の好みを最も尊重する。

【リング】

太くて短い指 ×さけた方がよいデザイン ◯バランスのよいデザイン
・幅広のリング
・縦長のリング
・ボリュームのあるリング
・華奢なリング
・センターストーンタイプ
・ボリュームに変化のあるリング
・V字リング

ポイント:似合わないと思われがちですが、指の根元近くにポイントの下がるV字リングや変化のあるリングをお勧めします。

太くて長い指 ×さけた方がよいデザイン ◯バランスのよいデザイン
・可愛いリング

・華奢なリング
・幅広のリング
・縦長のリング
・ボリュームのあるリング
・太めのV字リング

ポイント:大人っぽい印象のある手ですので、可愛いリング、華奢なリングは手を更に大きく見せてしまいます。

節が太い指 ×さけた方がよいデザイン ◯バランスのよいデザイン
・センターストーン型
・細いリング
・全体的に均一にデザインされたリング。
・幅広のリング

ポイント:節が太い指は、リングが回りやすいので、幅広の均一的なデザインがよい。

【ネックレス・ペンダント】

太くて短い首 ×さけた方がよいデザイン ◯バランスのよいデザイン
・短いチョーカータイプ
・太め、ボリュームのあるネックレス
・極細のネックレス
・45cmくらいのペンダント
・45〜50cmくらいのネックレス

ポイント:首もとにV字の空間をつくり、長く見せましょう。

長くて細い首 ×さけた方がよいデザイン ◯バランスのよいデザイン
・細いネックレス、ペンダント ・チョーカータイプ
・立体的なデザイン
・2連、3連の重ね付け

ポイント:細く、長い首はバランスが取りやすいですが、華奢に見えますのでボリュームを持たせて見ましょう。


【ブローチ】

ブローチは、体型をどのように見せたいかで位置やタイプを変えてみます。

  • 背を高く:鎖骨付近の高い位置に。
  • 背を低く:バスト・トップ付近につけて視線を下げる
  • スッキリ:縦長のデザイン、流れのあるデザインでシャープな印象を。
  • ボリュームを:丸、四角など、安定感のあるデザイン。
  • 優しい感じ:丸形のブローチで演出

【イヤリング/ピアス】

丸顔 強調するには? 丸顔を補正するには?
・丸く、大きなボタン型
・ドロップ型
・フープ型
逆三角形 強調するには? 逆三角顔を補正するには?
・シャープなラインのボタン型
・ふくよかなラインのドロップ型
・ボリュームを下に
四角形 強調するには? 四角顔を補正するには?
・四角形
・ボリュームのあるボタン型
・耳たぶより小さいスタッド型
楕円形 強調するには? 楕円顔を補正するには?
・ドロップ型
・丸みのあるボタン型
・大きすぎないフープ型

【鏡で見る時の注意点】

鏡で写しても、どうしてもジュエリーのデザインに注意がいきますが、「大きな鏡で」「客観的に」見ることが大切です。

リングは直接見ることができますが、鏡に写して、手を下ろし、自然な形でもチェックしましょう。

3.TPO

  • 個性以前の、「マナー」です。
  • ジュエリーのTPOは守らないと「マイナスイメージ」になります。
  • 特に冠婚葬祭。悲しみの席では注意しましょう。「控えめ」「真珠」
  • 真珠のネックレス。悲しみの席(葬)では、1連のシンプルなもの。2連、3連⇒「度重なる」に通じる。
  • イヤリング:一個珠。固定タイプで。
  • 結婚指輪:OK。婚約指輪:外す。
  • 結婚式では、華美になりすぎないように。